きとのおもちゃばこ。

名刺の肩書が『データアナリスト』になったけど、実態が無いので途方に暮れてます。

【統計検定】統計調査士/専門統計調査士の取得者を増やすための対策記事

「統計検定」の名前を耳にする機会も増えてきた今日この頃だが、
実は、同じ主催者が「統計調査士/専門統計調査士」という検定試験も実施している。

統計検定◯級に比べて知名度が格段と低く謎に包まれているため、
統計調査士の知名度向上(と、それに伴う検定合格者の地位向上)のために、
統計調査士/専門統計調査士についての解説・対策記事を書いてみたい*1

参考:統計検定2級についての対策記事

kito1214.hateblo.jp

目次

そもそも、統計調査士/専門統計調査士とは何なのか?

統計検定の該当ページから、それっぽい箇所を引用してみる。

統計調査士:統計の役割、統計法規、公的統計が作成される仕組み等に加えて、主要な公的統計データの利活用方法に関する正確な理解を証するもの

統計検定 統計調査士|統計検定:Japan Statistical Society Certificate

専門統計調査士:調査の企画・管理、ならびにデータの高度利用の業務に携わる上で必要とされる、調査企画、調査票作成、標本設計、調査の指導、調査結果の集計・分析、データの利活用の手法等に関する基本的知識と能力を評価する検定試験

統計検定 専門統計調査士|統計検定:Japan Statistical Society Certificate  

要するに、統計検定◯級は「データの分析」(≒調理方法)を問うのに対し、
(専門)統計調査士は「データの集め方」が問われる検定試験だと理解している。

「データ分析」の方が「調査」の数百倍も話題になっているけれど、
調査への理解が不十分なまま集められたデータは、分析でも使い物にならない*2
「データサイエンス」ブームの今だからこそ、データ収集・管理の泥臭い部分を知っておくと周囲に一歩リードできると思っている。

なお、当然のことながら(専門)統計調査士を持ってること自体のメリットは皆無。

(専門)社会調査士との違い

社会調査士と名前が似ているが、カバーする領域もほとんど被っている。
下記のように、取得方法が違う程度だと思っている。

  • (専門)社会調査士:大学(院)で所定の単位を取得することで認定。試験なし。
  • (専門)統計調査士:検定試験方式。大学での単位取得は必要なし。

強いて言えば、社会調査士ではインタビューなどの質的調査も含まれるが、
統計調査士ではアンケート等の量的調査に特化している点が異なっている。

統計調査士/専門統計調査士の試験対策

統計検定と違って、当該試験の公式参考書は存在しない。
それでも、試験対策に使える良質なコンテンツはそれなりに見つかる。

『統計調査士試験 対策コンテンツ』(立教大学 社会情報教育研究センター)
統計検定 統計調査士試験 対策コンテンツ 第4版

統計検定 統計調査士試験 対策コンテンツ 第4版

 

統計調査士で問われる項目を体系的に説明している、おそらく唯一の資料。

本書で扱っている主な項目は以下の通り。
 1)統計法規
 2)公的統計調査の実務(調査員の業務など)
 3)主要な社会・経済統計(人口統計、雇用統計など)

こちらの資料、Amazonで紙媒体/Kindle版ともに購入できるのだが、
実は立教大学 社会情報教育研究センター HP からも閲覧可能*3

 入門・社会調査法 第3版(法律文化社
入門・社会調査法〔第3版〕: 2ステップで基礎から学ぶ

入門・社会調査法〔第3版〕: 2ステップで基礎から学ぶ

 

専門統計調査士では、調査票の設計やサンプリング等、調査企画・管理の知識が問われるが、
社会調査法の入門テキストでほぼ全てをカバーできる*4

本書は説明が充実しているだけでなく、頻繁にアップデートされており、
近年のインターネット調査等にも対応している点で非常にオススメ。

『統計調査士・専門統計調査士 公式問題集』(実務教育出版)
日本統計学会公式認定 統計検定 統計調査士・専門統計調査士 公式問題集[2015〜2017年]

日本統計学会公式認定 統計検定 統計調査士・専門統計調査士 公式問題集[2015〜2017年]

 

検定試験の合格を狙う以上、もちろん過去問演習は必須。

統計調査士/専門統計調査士は、試験範囲に完全対応している参考資料がない以上、

 過去問を解く
  → 解説を読んで知らない知識を補充する
   → もう一度過去問を解く ...

のサイクルを回すことでしか、試験範囲を網羅することが出来ない。

問題形式に慣れるだけであれば過去問を1〜2週すれば十分だが、
統計調査士/専門統計調査士に関しては、知識の定着のために出来る限り周回プレイすると良い。
合格だけを考えるなら、下手な参考書よりも過去問周回のほうが役に立つ。

より確実な合格のために知っておくと良いこと

ビジネス場面での調査企画・管理
マーケティングリサーチとデータ分析の基本

マーケティングリサーチとデータ分析の基本

 

ビジネスの現場でも、調査企画・管理スキルを使う場面は多い。
なかでもマーケティングリサーチ業界は、まさに調査企画・管理を生業としている*5

社会調査法では、アカデミックな視点から調査企画・管理を説明しているのに対し、
マーケティングリサーチの入門書では、ビジネスの視点から調査企画・管理の知識を深められる。
特に、調査目的の設定で「その後の意思決定やアクション」まで考慮する点が特徴的。

両者の視点を併せ持つことで、どこでも通用する調査企画・管理スキルが身につくはず。

統計学の知識(特に多変量解析法)
よくわかる心理統計 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

よくわかる心理統計 (やわらかアカデミズム・わかるシリーズ)

 
多変量データ解析法―心理・教育・社会系のための入門

多変量データ解析法―心理・教育・社会系のための入門

 

専門統計調査士では、統計検定2級レベルの統計学の知識も求められる*6
さらに、回帰分析・因子分析・クラスター分析などの多変量解析も出題範囲に含まれる。
統計検定のように「計算できる」レベルまでは必要無いものの、
各種の概念くらいは抑えておいたほうが良さそう。

ということで、統計検定2級〜準1級相当の本の中から、
心理・教育学の大学生向けに書かれた、日本語の説明が特に丁寧な本をpick。 

専門統計調査士の一歩先にある領域

統計調査士/専門調査士の受験対策にはオーバースペックだが、
該当領域の理解をより深めるためには、以下のような本が参考になるらしい*7

公的統計
公的統計の体系と見方

公的統計の体系と見方

 
標本調査法 
概説 標本調査法 (統計ライブラリー)

概説 標本調査法 (統計ライブラリー)

 
社会・経済統計、時系列データ
人文・社会科学の統計学 (基礎統計学)

人文・社会科学の統計学 (基礎統計学)

 

統計調査士/専門統計調査士に活躍する機会はあるのか?

〇〇士という名前だけれど、知名度の低さも相まって
現状では、名刺やプロフィール欄に書ける程度しかメリットが無い。

とはいえ、得られた知識は統計検定〇級よりも出番が多いのでは、と個人的には思っている。

前述のマーケティングリサーチ業界は然ることながら、
小売・サービス業で実施される「お客様アンケート」であったり、
公務員が実施する住民アンケートであったりと、
調査票を作成して、実際に回答を集める場面は意外と多い。

この際に必要となるのは「データ分析」よりも「調査」のスキルであり、
回帰分析やt検定といった難しい分析の知識があるよりも、
設問のワーディングに気を遣えるスキルのほうが、一見地味だが役に立つ。

〇〇分析のような華やかさこそ無いものの、どんな業界でも役に立ちうる検定試験、であってほしい。

*1:本記事も、過去にネットの片隅で書いた統計調査士対策のアップデート版の位置づけ。

*2:いわゆる、Garbage In Garbage Out

*3:2018年12月29日現在

*4:社会調査士のA,B科目に相当。

*5:かくいう私自身も、マーケティングリサーチ業界の末端で働いている。

*6:統計調査士の場合は、統計検定3級レベル

*7:いずれも未読。本のチョイスは職場の先輩の受け売り。