きとのおもちゃばこ。

名刺の肩書が『データアナリスト』になったけど、実態が無いので途方に暮れてます。

【読んだ本】FACTFULNESS ファクトフルネス(2019)

『FACTFULNESS』なる本がネットを中心に話題になっている。
海外では、ビル・ゲイツバラク・オバマが絶賛していたらしい。 

紙の本の発売に先駆け、電子書籍ver.を先行販売していた点も興味深い。

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

FACTFULNESS(ファクトフルネス) 10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣

  • 作者: ハンス・ロスリング,オーラ・ロスリング,アンナ・ロスリング・ロンランド,上杉周作,関美和
  • 出版社/メーカー: 日経BP
  • 発売日: 2019/01/11
  • メディア: 単行本
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さて本書は、著者からのいくつかの質問から始まる。以下にその一例を示す。

質問 世界の1歳児で、なんらかの予防接種を受けている子供はどのくらいいる?
  1. 20%
  2. 50%
  3. 80%
質問 いくらかでも電気が使える人は、世界にどのくらいいる?
  1. 20%
  2. 50%
  3. 80%

これらの質問を通して、著者とともに世界の「ほんとうの」姿を探しに行く本である。

 

3行でまとめてみる
  • 冒頭に挙げたような、世界についてのさまざまな質問をすると、
    人々はランダムに回答するよりも低い正答率で、大抵は間違った答えを選ぶ*1
  • このように、人々が世界についての誤解をしてしまうのは、
    人間という生き物が「瞬時に何かを判断する本能」と、
    「ドラマチックな物語を求める本能」を持っているからである。
  • 本能に流されず、事実に基づく「ファクトフルネス」なものの見方をすると、
    世界は想像よりも素晴らしく、また、次第に良くなっていることに気づく。
本書のもくじ
  • 第1章  分断本能 
     「世界は分断されている」という思い込み
  • 第2章  ネガティブ本能 
     「世界がどんどん悪くなっている」という思い込み
  • 第3章  直線本能 
     「世界の人口はひたすら増える」という思い込み
  • 第4章  恐怖本能 
     「実は危険でないことを恐ろしい」と考えてしまう思い込み
  • 第5章  過大視本能 
     「目の前の数字がいちばん重要」という思い込み
  • 第6章  パターン化本能 
     「ひとつの例にすべてがあてはまる」という思い込み
  • 第7章  宿命本能 
     「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み
  • 第8章  単純化本能 
     「世界はひとつの切り口で理解できる」という思い込み
  • 第9章  犯人捜し本能 
     「だれかを責めれば物事は解決する」という思い込み
  • 第10章  焦り本能 
     「いますぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み
  • 第11章  ファクトフルネスを実践しよう
感想とか(内容について)

本書の指摘する「本能」には、私自身にも思い当たる節が多かった。
例えば以下の通り。

  • 幼少期、両親の運転する車に乗って事故に遭うのを怖がるよりも、
    年に1回乗るか乗らないかの飛行機事故を怖がっていた(恐怖本能)。
  • 社会科見学で漬物工場に連れて行かれたので、
    日本の小学生はみんな、漬物工場について学習していると思っていた(パターン化本能)。
  • 「地元の地方国立大学と、東大・京大との中間レベルの大学は存在しない」
    という地元の雰囲気の中があった(分断本能)。

ハンス・ロスリングが読者に残したアドバイスは、
「表面的な数字に踊らされるな」「メディアを疑え」に尽きると読みとった。 

特に、貧困率やら死亡率やらの数字を「時系列で見る」発想は持っていなかった。
現在の数字を見て「高い」「低い」を論じることはあったものの、
「昔より良くなってる」事実は、言われるまで意識したことがなかった。

感想とか(外枠について)
こんな人におすすめ
  • 「途上国支援」とか「ボランティア」のワードに強く反応する人
  • 自分の長年の経験と実績に自信を持っているタイプの人
  • TableauやPower BIのような、BIツールによるデータの可視化に関心がある人
おまけ

『FACTFULNESS』本文のエッセンスは以下のブログにだいたい全部詰まっていた。

finfinmaru.hatenadiary.com

*1:なお、冒頭の質問の答えはいずれも「3」である。

*2:彼らは、Gapminderという国際統計を動的にビジュアライズできるツールを開発・公開している。